ベースラインでは、現在プロジェクトで安全に使用できるウェブ プラットフォームの機能について明確な情報を確認できます。記事を読んだりプロジェクト用のライブラリを選択したりする際、使用する機能がすべてベースラインに含まれていれば、ブラウザの互換性は信頼できるものと考えられます。ベースラインに合わせることで、サイトをテストする際に想定外の事態を回避できます。
ベースラインと Google Chrome
ベースラインは、Chrome のチームが開始したプロジェクトです。Google が調査を行った結果、多くのデベロッパーが、ウェブ プラットフォームへの変更がわかりにくいと感じていることがわかりました。特に、どの機能がすべてのブラウザでサポートされているかを把握するのが難しいというご意見をいただきました。
デベロッパーの方とお話ししたところ、ごく最近まで多くの方がブラウザ サポートのベースラインとして Internet Explorer を使用していたことがわかりました。サイトは IE11 で動作する必要があったため、IE11 でサポートされている機能のみを使用します。Internet Explorer のサポート終了と、リリース サイクルがますます短くなるブラウザにより、特定のブラウザ バージョンに合わせることが非常に難しくなりました。
そのため、ベースラインは、すべてのブラウザで利用可能かどうかに基づいて、機能を使用できると判断できるタイミングを示す行として設計されました。この境界は特定のブラウザ バージョンに関連付けられるのではなく、相互運用性に基いています。
他のブラウザやコミュニティとのコラボレーション
ベースラインを可用性に関する方法にするには、Chrome プロジェクトだけでは不十分であることは明らかでした。他のブラウザやコミュニティからの意見や調整が必要でした。そのため、プロジェクトを直ちに W3C WebDX コミュニティ グループの所有権に移行しました。このグループはベースラインの定義を決定し、ウェブ プラットフォームを機能のセットとして定義する作業もホストします。
どなたでも WebDX コミュニティ グループに参加して、ベースライン、ウェブ機能の動作、デベロッパー エクスペリエンスに関連するその他の問題に関するディスカッションに参加できます。
コミュニティと連携して、このプロジェクトを継続的に推進していくことを楽しみにしています。web.dev では、ワークフローでのベースラインの使用方法に関する情報と、毎月ベースラインに含まれる機能に関する情報を確認できます。